| 3.1 クラス訪問
ジャガイモ収穫の翌週火曜日に今学期最後の環境授業があるということで、グーテンベルグ小学校の2年E組を訪問した。30分の中休みが終ると、子供たちが勢いよく教室に帰ってくる。前の時間は図工だったようで、机の上には描きかけの絵が置いてある。 教室の前には週の時間割が張ってあるが、なぜか科目が書いてない。事情を聞くと、ドイツ語、算数、社会などを教員が自由にくみあわせてカリキュラムを立てているそうだ。テーマである環境教育は社会科の中に入っていて、通常は週に3回の授業を行う(授業1時間=45分)。水、空気、ゴミ、赤ちゃんの成長、季節の植物や動物、etc. を習うので『環境や理科を含んだ社会科』と言えそうだ。 畑を使った課外授業はちょっと特別で、金曜日の連続した3時間を使って授業を進め、必要があればもう一時間ほど教室内で授業を行っている。教室での授業も見学したが、実に様々な教科が組み合わされている。
子供たちはとにかく元気がよく、一つ質問をすると10人くらいが手を挙げて答えてくれる。
― 社会科でどんなことを勉強するの?
― なぜ社会科が好きなの?
― 教科の中で何が一番好き?
― 自宅に庭のある人?(おそらく集合住宅の庭も含まれる)
― 家庭でクラインガルテン(市民庭園)を借りている人?
3.2 メルヘンで膨らむイメージ 私の質問が終ると、今学期最終の環境授業(社会科)が始まった。先週金曜日のジャガイモの収穫について、絵と作文を書くのが課題だ。まずシェーファーさんが、会話を通して金曜日にしたことを子供たちに質問する。
そうした会話の後、子供たちはグループに分かれてノートに絵を描きはじめる。一人の子が何かを描き始めるとグループの他の子も同じような絵を描くところなど、日本もドイツもあまり変らないと妙に感心。早めに終った子のノートを見せてもらったところ、約20ページに渡って今学期行ってきた授業の内容が載っていた。面白いと思ったのは1ページ目。太陽・空・花などが色鮮やかに描かれているが、どうも学校の庭ではないようだ。シェーファーさんにそのことを尋ねたら「一番初めの授業のテーマは“学校の庭って何?”。 まず、庭を見せずに教室の中でメルヘンを読み聞かせました。その絵は、子供たちがその話の中から膨らませたイメージです。」 ノートに沿って授業をたどると:
* ここに挙げたリストは、庭での活動と教室での活動が混ざっている。
3.2 一番の人気は池 授業後、シェーファーさんとヴァルターさんにお話をうかがった。ヴァルターさんはこのクラスの担任でシェーファーさんは副担任に当たる。すべての授業で二人が協力して授業を行うが、学校の庭の授業は主にシェーファーさんが責任を持って行っている。クラスの人数は23人だが、庭での授業や歩いて10分ほどかかる行き帰りのことを考えると教員一人で行うのは非常に困難だと思う。ジャガイモのバーベキューも、やはり教員一人ではできない内容だ。 一方、畑は教育大学の庭にあるので、日々の管理の点ではシェーファーさんの負担は少なくて済む。逆に、もっと学生が積極的にシェーファーさんの授業をサポートすることも可能だと思うが、今学期は学生の特別な参加は無かった。レナート教授も、来年はぜひ実習の一つとして学生を参加させたいそうだ。 話を聞いて面白いと思ったのは、こういった学校の庭で環境教育を受けた子供たちが、将来も環境や自然に興味を持ち続けるとは限らないということ。短期間ではなく、できることなら長期にわたり継続した自然との触れ合いが必要だということだろうか。しかしながら、今学期2年E組の子供たちがした経験は、彼らが大人になっても大切な思い出となることだけは確かだ。(了) |
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| 写真:学校の庭全体の中で、子供たちが一番興味を持つものはいったいなんだろ? シェーファーさんによれば「池とそこに住む昆虫」だそうだ。なるほど、子供たちがグループで描いた絵にはかならず池が登場する。将来的には池に小さな桟橋のようなものを造って、もっと水に近づきやすくするそうだ。 |